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確かに、皆が「個人」を意識し始めると、世の中おかしなことになりそうですね。組織というものが存在するからこそ個人が成り立つんだろうと思います。組織の中の人間は、その組織の中で個性をどう発揮していくのか、組織のトップの人間は、組織の中の人間の個性をどう活かすのか、考えることが重要ですね。

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「個性」の時代

最近、現代は「組織」の時代から「個人」の時代になったという論者は多い。

例えば、金融日記の藤原数希氏は以下のように言う。(記事全文

金融ビジネスも、社会主義化して身動きの取れなくなった金融コングロマリットから、ヘッジファンド、独立したリサーチハウス、ブティック投資銀行、そして個人投資家にシフトしていくだろう。2012年は、おそらく過去のコーポレートの時代、グローバル化の時代の終わりの始まりであり、傑出した個人が、インターネット・テクノロジーで武装し、世界のマーケットで直接大企業と対等に競争をはじめる年になるだろう。

しかし、私は「個人」という言葉を使うのは少し不適切だと思っている。投資やメディア(ブログ、個人サロン等)では、確かに「個人」が大組織以上のパフォーマンスを出すことが増えてきているだろうが、だからといって、「大企業の時代ではない」「どこでも仕事ができる。個人/ノマドの時代だ」と軽々しく言うのは、本質を見失っており、もっと言えば感情的で危険な主張だとさえ感じる。

私は現代を 「個性」の時代 と定義したい。

「個人」でも「グローバル企業」でも「コミュニティ」といった組織のサイズ・形態にとらわれず、その性質として輝く「個性」にこそ価値が生まれる時代だと定義したい。


企業経営の最前線にいる私としては、決して「個人」の時代になったとは思えない。大多数の企業は、熾烈さを極める規模拡大競争に日々頭を悩ませているからだ。

新日鐵は、日本最大の規模を誇りながら、それでもグローバル競争に勝てる規模にはないと判断して、住金との統合を選んだ。インテルは、限界が叫ばれているムーアの法則に必死に抗うように、年々倍増するファウンドリ投資を続けることで、MPUにおいて他の誰も追随できない圧倒的な地位を築いた。ホンハイやTSMCは、年々巨大化を続け、全世界の企業の工場としての役割を担っている。

今も昔も、世の中の大半の事業にはスケール・メリットが効くし、この傾向は、IT技術が進化したことで、更に拍車がかかっている。ITによって企業間の競争が、国レベルから地球レベルへと変わったのだ。Appleが巨万の利益を稼いでいるのは、世界規模の部材調達、世界規模の製品組み立て、世界規模のマーケティングを行うことで、かつてないほどのスケール・メリットを享受しているからだ。


もちろん、個人レベルで活躍できる分野も出てきてはいる。例えば、一部のデザイナーやヘッジファンドマネージャーは、大企業の経営者よりも余程多額の金を稼ぎ出している。従業員がたった3,500名のFacebookの時価総額は、何十万人もの従業員を抱える大企業のそれを遥かに上回る800億ドル(約6兆円)だ。また、最近流行りの個人コミュニティやメルマガによるお小遣い稼ぎも個人が企業を凌駕できる分野だろう。

但し、上記のトレンドだけをもってすぐに「現代は個人の時代だ」と結論付けるのは早計であろう。これらは、あくまで一部の話だ。マクロで見れば、中小企業に勤めるヒトの数は減り続け、大企業に勤めるヒトの数が増加している。そして、その大企業の規模はますます規模拡大傾向を強めている。・・・これが正しい現状理解だ。


一方で、「逆に規模の拡大こそが現代の真のトレンド」かというと、それも違う。規模の拡大のみに着目すると本質を見失ってしまう。一体何のための規模拡大なのか、それが重要だ。

現在進行している規模拡大は、ただの巨大化ではない。20世紀の巨大化と21世紀の巨大化は、その性質が大きく異なっている。単純にラベルを貼るとすれば、20世紀のそれは「コングロマリット化」であり、21世紀のそれは「巨大専業企業化」と言えるだろう。

インテルは創立当初から行ってきたメモリ事業を切り離し、その代わりMPUへの投資額をますます増やしていった。日本の総合電機も重い腰を上げ、モバイル液晶を切り離し、ジャパンディスプレイを設立した。全部同じように見える総合商社も、最近は、各社で注力分野が大きく異なるようになった。丸紅の米穀物第3位ガビロン買収に代表されるが、最近の大型買収には、各社がただの「総合」商社では生き残れないと思っていることが如実に表れている。

つまり、企業が、「自らの強みを更に強化する」という戦略・目的の下に、規模を拡大しているのだ。

規模拡大は目的ではなく、手段だ。目的のために規模拡大が合理的である場合には、企業は極限まで規模の拡大を目指す。そうでない場合は、規模拡大など全く気にしない。

言ってみれば当然の事なのだが、例の「個人の時代」という議論では、この当たり前の事実が忘れられているように思う。


「大組織なのか」「個人なのか」という組織の「サイズ」に着目した問題設定は本質的ではない。むしろ、その「サイズ」の背景にある「目的」をこそを問わねばならないのだ。

「鉄を作る」という目的のために尖った組織は超巨大グローバル企業になるだろうし、最新の「MPUを作る」ための組織はその他の半導体事業を切り離し年々負担が増大する微細化投資に舵を切らればならない。そこでは、優秀な「個人」ではなく、むしろ「組織」としての完成度が勝敗を決める。どんなに素晴らしい発明をする研究者がいようが、企業として、それを活かすことができなければ、勝負にならない。

一方で、「SNSを作る」という目的のためにはそれほど多くの従業員は必要ないだろうし、「投資リターンを最大化する」という目的のためにはむしろ従業員の数は少ないほうがいいかもしれない。優秀な「個人」のアイデアが、「組織」を簡単に凌駕できる分野だ。ひとりのファンドマネージャーが数万人の従業員を抱える金融機関相手にボロ儲けができる。

現代という時代の本質を把握するためにまず認識しなければならないのは、現代が持つ「過剰性」だ。現代には、モノもヒトもカネも情報も、全てが溢れている。そして、それゆえに何の個性もない凡庸な存在に急速に価値がなくなっている。

昔ならば、有名私大卒業、偏差値60、営業/企画/経理の経験あり、という人材の価値はそれなりにあった。そのようなオールマイティな人材を大量に抱えた総合電機のような企業の価値もそれなりにあった。

しかし、今は違う。金太郎飴のような人材はどこでも調達できる。中途半端な人材をそろえて、中途半端に良い電機製品を作っても、家電ショップの製品の山で埋もれるだけだ。

「過剰」な時代に求められるのは、強烈な「個性」だ。その際、その「個性」を発するのは、個人でもベンチャー企業でも大企業でも何でも良い。都度、その個性を発揮するのに最適な組織形態が勝利する。大多数の分野では個人が負けるだろうが、たまに個人の方が勝つ分野もあるというだけであり、この勝ち負けの程度に物凄い差がつき始めたというのが現代なのだ。


個性を発揮するという目的のために最適化を図らなかった組織・個人は、旧来のパラダイムのなかでいくら優秀だったとしても生き残れない。

ルネサスエレクトロニクスは、元日立で東大を優秀な成績で卒業した極めて頭の良いエンジニアを多数抱えているが、圧倒的世界第一位のシェアを誇る車載マイコン分野に注力することができなかったがゆえに、親会社からの支援がないと生き残れないとまで言われる状況に追い込まれている。

個人でも同じだ。メガバンクのシステムの一部の開発しか担ったことがないのに独立してもフリーランスのエンジニアをして成功するのは難しいだろう。かっちりとした契約を結んだプロジェクトを行なう場合は、やはりしっかりとした法務スペシャリストを抱えた企業同士でないと高品質のサービス提供は難しいだろう。


「組織から個人へ」という単純な図式は虚構に過ぎない。
「組織から個人へ」「個人から組織へ」「大企業から超大企業へ」というルールなき「個性化」の大波が押し寄せているだけだ。


現代は個性の時代だ。ゴミの山の中でも強烈な光を発し、自らの存在価値を訴求できる存在だけに、価値を見出される。

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確かに、皆が「個人」を意識し始めると、世の中おかしなことになりそうですね。組織というものが存在するからこそ個人が成り立つんだろうと思います。組織の中の人間は、その組織の中で個性をどう発揮していくのか、組織のトップの人間は、組織の中の人間の個性をどう活かすのか、考えることが重要ですね。

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G戦士

Author:G戦士
昭和60年生。元京大総合人間学部生。現在はアメリカで某プロフェッショナルファームに勤務。

地方公立高校卒業後、半年間のフリーター宅浪を経て、京大に合格。その経験から得た受験勉強法を書き綴っています。
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Sub Author:シロップ
平成2年生。東大文科三類在籍。

都内私立高校後、宅浪を経て、東大に合格。現在はG戦士さんに代わり、ブログの管理の中心を担っています。
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